2006年07月28日

(長文注意)通勤攻防

Posted by 美吉 吉美 at 00:10
Categories: mixiとか 日々方面

今日も朝から通勤電車。 オフピークぎみなので多少スペースあるけど暑っつい。
・・それはいいとして。

隣に立ってた若者の引いてた出張カートが、 ゴロっと転がって私の足を轢く。
・・視線にすぐ気付いて引き戻したので、それはいいとして。

カート君が広げてチェックしてるファイルは、 朝の電車ではちとデカいかも。
・・彼なりに邪魔にならないよう気を使ってるように見えたので、それはいいとして。

カート君の前に座ってる成りたての中年程度なオサーン、 新聞読むの下手だなぁ。
折って縦を縮めないから正面に出っ張ってるよ。 ページめくる毎に横方向にも広げちゃって、あれじゃ周り大変だな。
・・カート君挟んで反対だから遠いので、それはいいとして。

ヘッドホンして窓外を見てたら、なにやらエラソーに注意する声が。
「ファイル邪魔なんだよ、どけろよ」
新聞オサーンでした。
このご時世に注意できるのは良いことだと思うけど、 その言い方じゃ「俺様のために場所空けろ」に聞こえちゃうよ。
・・カート君が素直にファイル閉じたから、それはいいとして。

オサーンも新聞に戻る。 新聞の扱いはさっきのまま。否、さっきより酷い。 新聞の先でカート君の腹を突付いてるのに気付いてないのか。
・・私が突付かれてるわけじゃないので、それはいいとして。

カート君カチン。
新聞を払い、「新聞、(周囲の)邪魔してるよ」
新聞オサーン、無視。
危険な空気。
私は巻き込まれてないので無視を決め込む。都会って怖い。
・・それはいいとして。

カート君、ぶちん。
「(小声)ちょっとアンタ、話がある。次の駅で降りろ」
対するオサーン。
「(大声)なんだよ、お前が悪いんだろ。こっちは話すことなんかねーよぉ」
その最中にも隣の青年を新聞で突いてることには気付かない。
反対の隣に座ってたオバサン、さくっと避難逃亡。 これが危機管理能力というものなのですね。
・・それはいいとして。

耐えるカート君。 新聞超しに睨みというかガンたれ。でも声は抑えて。
「俺も悪かったがお前のソレは何だ」
オサーン再び大声。
「なんだってんだよ。言いたいことがあるなら言えよ。聞こえねぇんだよ」
貴殿より遠く、ヘッドホンしてる私でさえ聞き取れましたよ。

もはや迷惑なのは新聞オサーンのほう。 殴り合いになっちまったら止めるかな。
・・それはいいとして。

まだ耐えるカート君。睨むだけ。 新聞オサーンがガッとカート君の襟首を掴んで引き寄せた。

「聞こえねぇってんだよアアン」
アウト。
先に手を出したの貴殿だし、とっくに善悪が逆転してる。

ちょうど駅に到着。

カート君やる気。
「先に手を出したのはそっちだからな、降りろ」
腕を掴んで引きずりおろそうとする。
新聞オサーン負けてない(おいおい)。
「手ぇ出してんのはお前だろ、俺は降りねぇよ離せ」
おいおいおい。

もうアカン。 私を含めて何人か制止に入る。
こんなんで通勤電車を遅らせるわけにはいかんのです。 彼らの怪我云々よりも列車の運行が心配なのは私だけじゃない。

どうやら新聞オサーンは自分の正義に浸ってて、 話を聞く耳はもたないみたい。 明らかに年長なのに。
よって、手を出されるのを待つ程度には冷静さがあるカート君を説得。

暴れようとするカート君の肩をぽんぽん、耳打ちで。
「ちょっとごめん、聞いてくれるか。
 キミが正しいのはわかってる。
 でもこのヒトちょっと可哀想なヒトだから、
 キミが耐えてやってくれないか。な」
目を見て、もいっかい肩ぽんぽん。

正当性を認めてやること、 周囲に及ぼしてる影響に改めて気付かせてやることが重要かと。

お。
怒りは収まってないが冷静さはもどったみたい。 落ち着いてくれた。
私が降りるまであと1駅。そのまま保ってくれ。

落ち着いたカート君を見て新聞オサーン、 何を思ったか変わらぬ大声で
「ったくよー。悪いのはお前なんだから絡んでくんじゃねぇよ。 だいたいそのカートが2人分のスペース取ってんだから云々・・」
ちょおま、血が見たいのかヴァカ。

半分はカート君に落ち着いてもらうための方便だったのに 本物の可哀想なヒトに成り下がりやがった。
おまい、そのトシで大荷物持って電車乗ったことないのか。

カート君に再び火が入りそうだったので目を見て肩ぽんぽん。 &熱い視線から電波発射。「耐えてくれ」と。

「愛してる」と勘違いされてたらどうしよう。

通じたのか愛されたのか、耐えてくれた。
そして私の目的駅に着いた。

もいっかい肩ぽんぽん、
「ちょっと私も震えがきてるけどねッ」
言い捨てて降りる。ここでタイミング逃すと遅刻するのだ。

・・そう、私でも怒りで震えが来てた。 震えるほど怒りが来るのって久しぶりかも。
煽りという仕事があったら、新聞オサーンはプロでやっていけると思った。


さて反省会。
結果的に、カート君だけに忍耐させてしまった。
新聞オサーンに、自分がどれだけ恥ずかしい存在かを知らせてやれるほどの、 老獪さを持ち合わせたいものです。
もしくはチョップ一撃でその場を沈黙させる程度の説得力。説得?

電車を止めたくない「だけ」で喧嘩を止めに入れるほどの冷静さじゃなかったのも反省。
でも。できればカート君と協力して駅舎に連れて行きたかった。


で。
今日は一日中、このシーンを思い出すだけでテンションが上げられたのです。
仕事中はいつもローテンションな私にゃ貴重なネタです。

ですが、
テンションついでに怒りゲージも上がってしまうので仕事の役には立ちません。 うまくいかないモンだなぁ。